上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2009.11.08 姨捨
今日は梅若靖記さんの「姨捨」がありました
三老女と呼ばれる、能では最奥の大曲です
ワキとしても大変気を遣う難しい曲だ

梅若恭行先生(靖記さんの父親)の七回忌の追善の
催しでした。
彼とは「道成寺」等、特別な曲では若い頃から
何度かお相手をさせていただきました

私の一つ年下ですが、今回の「姨捨」は
素晴らしかった

この能のシテは
姨捨山に捨てられた老女の霊であるが
その境涯を恨む事もなく
ただひたすらに月を愛でているのだ

序の舞いの後に「返せや返せ、昔の秋を」
という箇所で、謡いに併せた型がある
そこがとても良かった
泣けた

能には月をモチーフにした曲が多い
私も月を見て、様々な事を思い出す

見ている景色、月の形、何も変わらないのに
自分だけが年老いていく

能の定型は最後にシテが「失せにけり」となるのが
常だが、この曲はワキが先に幕へ入り
「独り捨てられて老女が・・・姨捨山とぞなりにける」
と、舞台にシテのみが残る

人の世を脱し、月の光に同化し、浄化した生命の姿なのか?

姨捨山に照る月を見て老女は何かを
返してほしいのだろう・・・

太鼓が入り、序の舞の中で
老女が月を見る型があり、1分位だろうか
舞いを止め、太鼓も打つ手を止める部分がある
老女の思いに時間が止まったように思える
舞いを一瞬止め、上座に座り月を見上げる

その後に情けも無く太鼓を打ち出す箇所がある
太鼓方の一番気を遣う部分だ

太鼓の打ち出しとともに、再び立ち上がり舞い出す
無情にもコツコツと時が過ぎていくのだ

こんな凄い型と間を誰が考えついたのだろうか
一緒に出ていてもたまらなく胸がキュンとなる・・・


スポンサーサイト
Secret

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。